おうむの夢と操り人形 書評

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おうむの夢と操り人形 書評

最近読む小説といえば近未来を描き疾走感あふれる藤井太洋作品だけなのですすが、その藤井太洋さんの短編小説「おうむの夢と操り人形」は小一時間ほどで読めちゃうけれど、なんだか考えさせられるような作品でした。

多少のネタバレ含みます。

ーーペッパーくんのようなロボットの開発販売会社が舞台。飲食店向けに配膳するロボットの販売とセットアップをしていたが、その技術アドバイザーが独自に研究して作った「おうむ返し」ロボット。

ロボットに話しかけると、いろんなバリエーションで「おうむ返し」をしてくれて、永遠にキャッチボールできるというもので、最初は認知症患者の入居している老人ホームで活用されたーー

「AI」というと、チャットボットかってくらいチャットボットの話しをよく聞くのですが、別にAIでなくとも昔からデータマイニングとかレコメンドって言葉で語られていたものと対して(まだ現時点では)変わらない。

それとは関係ないですが、ロボット(機械)と人間との会話を「おうむ返し」という昔からある方法で実現しているその着眼点がとても興味深くあっという間に読み込んでみました。

ーーそして「おうむ返し」がはじめてできてから数十年後、ロボット開発会社のCEOが3ヶ月間、進化した「おうむ返し」ロボットに経営を任せたところ、特に売上も落ちずに問題も起きなかったーー

という物語にも仕事というものを考えさせられるな、、という思いでした。特に上の人間になればなるほど、誰かから相談や報告を受けたりすることが増えていくだろうけれど、実はそれは「おうむ返し」で自問自答させるだけで解決することも多いのではないか、と。

となると人間がやるべき仕事とは何なのか、ゆっくり考えるようなそんな読後感の良書でした。


おうむの夢と操り人形

藤井太洋作品は全部好きで全部持ってますが、こちらも読みやすくておすすめ。


アンダーグラウンド・マーケット



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Tetsunori Yuasa

Tetsunori Yuasa

海外旅行、Netflix、漫画、寝ることが好き。1983年9月8日 福岡県生まれ・名古屋在住。住んだことがあるのは福岡・大阪・東京・ハノイ。詳細なプロフィール、旅した世界の写真たちまとめ、ご質問はask.fmまで。連絡先 tetsunori.yuasa@gmail.com

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