強引に折り合いをつけようとした結果、感情を無くしてしまった小鳥。いや、腹回りのしっかりした、中年太りのおっさん。
その代わりに、なんだかすべてのことに意味があるんじゃないかって思うようになってきて、すべてが特別なことのように見えてきた。
大通り沿いの歩道に設置してある灰皿の前でタバコをふかす赤いトレンチコートの女性。
メガネ男子、メガネ女子、マスク女子のマスクに隠された笑顔がこぼれてる。
犬の散歩をする男性、チャリンコで疾走するおじいさん、夕暮れの交差点に、赤から青に変わる信号機。
中目黒から代官山に上がる坂から見える、行き交う電車、ガタンゴトン、ガタンゴトン。
雨が降ってきたら傘をさし、雨宿りをする。仲良く傘の中におさまったカップル。
自分がふと右を向いたことにさえ、意味を感じる、生活と生活音。
すべてがちょっぴりスローモーションで鮮明に見えて、映画のワンシーンのようにドラマチック。
今まで、見えているようで見えていなかった。いや、見ようとしていなかったものかもしれない。
ゴールデンウィークさまのお陰かも。また、あの毎日に戻るとこの感覚も無くなるのかな。それはちょっぴりさみしいな。